洋画を見始めてかれこれ50年になろうとしています。そこでこれまでに筆者が見た数百本のアクション洋画の中から、「これは見ておくべき!!」と激賞のおススメ作品を独断と偏見で新旧10本を厳選し、ランキング形式でトップ10を発表したいと思います。
目次
第10位「007サンダーボール作戦」
1965年公開のショーン・コネリー主演、シリーズ第4作。イギリスのスパイ「ジェームス・ボンド」活躍するスパイアクション。
見どころは何といっても当時では斬新だった「水中格闘シーン」です。水中スクーターを駆使し、水中銃で敵役の「スペクター」と戦う場面には興奮したのを覚えています。
ストーリー自体は単純でしたが、時代の最先端を表す作品として日本でも大ヒットしました。
その後ボンド役は数々の俳優さんに引き継がれ、最新作では「ダニエル・クレイグ」が出演しています。
新旧「ボンド」を見比べるのもいいのではないでしょうか。
第9位「ランボー」
1982年公開、「シルベスター・スタローン」主演の第1作。シリーズ化していて「怒りの脱出」「怒りのアフガン」「最後の戦場」と続きます。
物語のあらすじはベトナム帰還兵のジョン・ランボーが戦友を訪ねて田舎町を訪れます。そんなランボーの姿を見た保安官は勝手に危険人物とみなし高圧的な態度でランボーを町から追い出そうとします。
これがきっかけでトラブルとなりランボーは山に立てこもることになります。グリーンベレーで得たスキルで戦いますが最後は元の上官であるマクナマラン大佐の説得で山を下ります。その際ランボーが叫んだセリフが名言となって残っています。
「まだ終わっちゃいない!!戦争は終わってない!!」これは当時アメリカで社会問題となり始めていた「ベトナム帰還兵の戦争トラウマ」と重なり大きな反響を呼びました。
この「ランボーシリーズ」でスタローンはアクション俳優としての地位を確立しました。
第8位「地獄の黙示録」
1980年公開。監督はあの名匠「フランシス・フォード・コッポラ」
ベトナム戦争を舞台にした叙事詩的映画。
音楽が効果的に使われており、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」をバックに地上を攻撃するシーンは衝撃的でした。
物語はカンボジアのジャングル奥深くに自身の帝国を築いた「カーツ大佐」(マーロン・ブランド)を暗殺すると言うものですが、狂気と頽廃に満ちた作品で、観念的な映画と言ってもいいでしょう。
映画の中のギルゴア中佐(ロバート・デュバル)の「朝のナパーム弾の臭いは格別だ」と言う台詞は「アメリカ映画の名セリフベスト100」の第12位に選ばれています。
出演した俳優を見ると寒気がします。
第7位「キルビル」
2003年公開。監督は奇才「クエンティン・タランティーノ」
あらすじは、女子殺し屋ブライドが黒幕ビルへの復讐を果たす内容ですが、テイストがオリエンタル風で、日本人女優の「栗山千明」さんも出演しています。
至る所に日本映画や香港映画へのオマージュがちりばめられており、見どころの一つである日本風のレストランでの格闘シーンは、日本の居酒屋「権八」がモデルになっています。
主演のユマ・サーマンが着ている黄色の上下ジャージはブルース・リーの「死亡遊戯」を思い出させます。
メインテーマ曲である「Battle Without Honor Or Humanity」は布袋寅泰さんが「新・仁義なき戦い」の為に作りましたが、タランティーノが気に入り頼み込みこんだそうです。
なので全編に流れる音楽は何とも言えない雰囲気を作り出しています。
一歩間違えるととんでもない「駄作」になる危険性を秘めた作品ですが、そこをうまく纏めたのがタランティーノの才能でしょうね。
彼には「パルプ・フィクション」と言う怪作もあります。
第6位「ブラックホーク・ダウン」
2001年公開。監督はリドリー・スコット。ソマリアで起こった戦闘を映画化した実話ベースの作品です。
ブラックホークの意味は米軍のヘリ「MH-60L」のこと。
あらすじを簡単に解説すると、レンジャー部隊とデルタフォースによる30分で終わるはずの捕獲作戦が、2機のブラックホークを失うと言う危機的状況に陥ります。
そのまま救出作戦へと変化し、15時間と言う長時間市街戦にさらされた状況をリアルに描いています。
その中でデルタフォースの狙撃員ランディー・シュガ-軍曹とゲーリー・ゴードン曹長が指令に従わずパイロットを救うために地上に降下しました。
最終的には3人全員死亡しましたが、その勇気ある行動にベトナム戦争以来の「名誉勲章」を授与されました。
劇中で使われている武器は実際に米陸軍や海兵隊に標準装備されているM14ライフルで、臨場感を一掃掻き立てます。
決して大作ではありませんが、若手俳優さんの臨場感に溢れた演技で見ているこちらも息が詰まる作品になっています。
ソリッド感がたまりません!!
第5位「ダーティハリー」
1971年公開。ダーティーハリーシリーズの第1作目。第5作まで作られました。
監督はドン・シーゲル。
主演はあの超大御所「クリント・イーストウッド」で、彼の出世作となりました。
あらすじはサンフランシスコの刑事「ハリー・キャラハン」が愛用の銃44マグナムをぶっ放しながらベトナム帰還兵のシリアルキラーを追い詰める内容になっています。
ダーティーハリーの意味は誰もやらない汚れ仕事もやると言う意味があります。
1970年代を代表するアクション映画で、その後のアクション映画にも影響を与えたとまで言われる作品です。
英語版がおススメですが日本語吹き替えは故「山田康雄」さん一択。彼以外は絶対考えられません。
いくつか吹き替え名言がありその最高峰は、ハリーがサン・ポーロへ出張の時やブルドッグを贈られたときに口にするセリフ「泣けるぜ...」、字幕では「最高だ…」。
どっちがいいでしょう?まあハリーはシニカルですからね。。
マカロニウエスタン「夕陽のガンマン」でプチブレイクしたイーストウッドの出世作。
今は監督としての地位を築いたイーストウッド、彼の若き日の姿を是非確認して下さい。
第4位「96時間」
2008年公開のフランス映画。監督はピエール・モレル、脚本の一人にあのリュック・ベッソン。続編があり「リベンジ」「レクイエム」と続き3部作。3作ともキャストに変更はありません。
主演は「リーアム・ニーソン」
あらすじは、元CIA工作員ブライアンの娘キムが友人のアマンダとパリへ旅行へ行き、アルバニア・マフィアの人身売買組織に拉致されます。
ブラインはCIA仕込みのテクニックを使い犯人を追い詰め、最後は娘を無事救出します。
公開前はそれほど評価は高くなく何となく見てみましたが、その面白さに引き込まれました。
「リベンジ」では今度はキムが活躍することになりますがあまり書くと「ネタバレ」になるのでやめますね。
3作続けてみたい方はアマゾンで「96時間/ザ・シリーズ」として発売されています。
第3位「ダイ・ハード」
1988年公開。監督はジョン・マクティアナン。
主演はブルース・ウイリスで、ダイ・ハードの意味は「なかなか死なない奴」で、実際彼が演じる刑事ジョン・マクレーンはなかなか死にません。
おかげでシリーズ5「ラストデイ」では大人になった息子ジャックまでが事件に巻き込まれる破目になります。
ダイハードにはシリーズを通して多くの名言がありますがその1つが「yippee ki-yay、mother fucker!(イッピーカイエー、マザーファッカー)」があり、頻繁に出てきます。「よっしゃー!」と言った意味です。
ダイ・ハードは新作が制作中でキャストにはブルース・ウイリスは当然として、マクレーンの若い頃と現在をシンクロさせる内容のようで、若手俳優が起用されています。
第2位「ジェイソン・ボーン」
ボーンシリーズとして4作あり、「マット・デイモン」主演は「アイデンティティ」「スプレマシー」「アルティメイタム」
「レガシー」は外伝として公開されました。
記憶を失った元CIA情報部員ジェイソンボーンが自らの記憶を求め隠された作戦の深層に迫りますが、見どころはやはりマットデイモンのアクション。
武器を使わず「知力と体力」を振り絞り戦うシーンは必見!!
マットデイモンの格闘技術も話題になりました、その腕に巻かれていた時計は「タグホイヤーのクロノグラフ」。丈夫なんでしょうね。
昨年9年ぶりに新作が公開され、「アルティメイタム」の続編になっています。
主要キャストは変わらず、ボーンと関係が深いニッキーも出ていますし、新たヒロインとしてスェーデン出身の女優アリシア・ヴィキャンデルが期待されます。
ネタバレを少し。今回でジェイソンボーンの意外な秘密が明らかにされそう?
DVDも発売されているので観ていない方はぜひどうぞ!吹き替え版もアリ!
必見ですよ!!
第1位「ポセイドン・アドベンチャー」
第1位は「ポセイドン・アドベンチャー」にさせて頂きました。
リメイク版ではなく1972年に公開された「パニック・アドベンチャー」映画の金字塔、
あの「ポセイドン・アドベンチャー」です。
あらすじは、地震の為転覆した豪華客船ポセイドン号からの脱出を描いた作品です。
キャストは、主人公のスコット神父を演じる名優「ジーン・ハックマン」共演に名バイプレーヤー「アーネスト・ボーグナイン」がロコを演じています。
実話ではないかと言う噂もありましたが、小説ベースのフィクションです。
劇中で最も印象的なシーンは2つ。海水に浸かった部屋にロープを通すためスコットが飛び込みますが、途中で障害物に挟まれ身動きが取れなくなってしまいます。
異変を感じたロコが飛び込みスコットを助けますが、それがもとでロコは亡くなります。その際の妻リンダと交わした会話に涙しました。
もう1つはもう少しで脱出できると言う時に、ハッチが開かず絶体絶命になりますが、スコットが飛びつき必死の思いでハッチを開けますが力尽きて落ちてゆきます。
その時神父スコットが神へ放った叫びは心を打ちます。
まだまだありますがもう十分ネタバレなので止めておきます。
DVDもありますので是非見て頂きたいと思います。できれば吹き替え版ではなく字幕スーパーで観て下さい。
もっともっと語りつくしたいですがやめときましょう。
いかがでしたでしょうか?「古いなあ~~!!」と思われる方もいるかと思いますが、それだけ映画の歴史は長いです。
また昔話になりますが、筆者が学生の頃、映画は最大の娯楽でした。今では考えられないですが「超豪華3本立て」があり半日は映画に浸ることが出来ました。
人気の映画は「立ち見」が出るほどでした
映画は色々なことを与えてくれます。
「映画ってホントにいいものですね、それでは次回をお楽しみに、サヨナラ、サヨナラ」
by 淀川長治